前回の記事では
「見込み利益ではなく ROI を基準に仕入れよう」
という内容で
利益額だけではなく、ROIも見て仕入れをしていこう。
という内容でした。
今回はその続きです。
ROIは仕入れ基準以外にも
使い方がいろいろあります。
ちなみにROIこれはアールオーアイだと
長いので、ロイ と私は読んでいます。
ROIはかなり便利な指標なので参考にしてみてくださいね。
“自分のROI” がわかると幅が広がる
ROIの考え方はシンプルですが、
「自分の平均的なROI」を把握すると
いろいろと使い方が増えていきます。
たとえば平均ROIが 100% の人で、
現状の仕入れ額合計が30万なら
30万×100%=30万円
といった具合に、
仕入れ額 × 自分のROI = 粗利の見込み値
が すぐに計算できます。
これにより、目標の粗利を達成するための
進捗状況が把握できるといったメリットがあります。
平均的なROIとは直近の3ヶ月平均くらいあれば十分です。
1月ROI:80% 2月ROI:90% 3月ROI:100%
これなら90%が平均というわけで、これを使っていくということです。
ROIを使う理由
売上×利益率=粗利
これでも見込み粗利はでますが、
精度が悪くてあまり意味がないことが多いです。
というのは当然売上は売ってみないと実際の数字がでてこないからです。
その点ROIは分母に仕入れ額を使っています。
1000円で仕入れたものは1000円のままです。
更に平均的な実際のROIを掛けているので、
ほぼ確定した粗利を出すことができます。
つまり、分子分母ともに根拠がある。
だから ROIのほうが戦略的に使いやすい というわけです。
逆算:目標粗利から必要な仕入れ額が算出できる
逆のパターンも非常に便利です。
例:
月の粗利目標 40万円
あなたの平均ROIが 80% なら
40万円 ÷ 80% = 50万円
つまり、
粗利40万を出すために必要な仕入れは50万円。
これがわかるだけで、今はまだ目標には遠いのでもっと仕入れていく必要がある、
または、目標達成に近いので、仕入れはそこまで頑張らなくてもいい、他の作業をしよう。
とかがわかるわけです。
毎月の“実際のROI”を把握する重要性
これを使いこなすには
毎月の実際のROI(実数) を把握しておく必要があります。
毎月の粗利÷仕入原価 これを毎月記録しておく必要があります。
3ヶ月平均で十分です。
管理にはプライスターというツールがおすすめです。
(自動で粗利が取れるので便利)
常に「現状の見込みROI」を把握する
上記は実際のROIの話でしたが
現状の見込みROIを把握しておく必要もあります。
それをすることで
たとえば次のような判断が可能になります。
- 平均ROIは100%
- 今月は120%取れている
→ いつもより低ROIの仕入れで攻めてOK
→ 高単価でもROI低めのチャンス商品が拾える
逆に…
- ROIが80%を割っている
→ 無理な仕入れはできない
→低単価、高ROIの商品を拾って建て直す必要がある
この「攻める/守る」の判断ができるようになる。
要は自分が何をやっているのかが、明確になってくるということ。
見込みと実数との差を把握して自己分析ができる
ROIには他にも使い方があります。
自分がどのくらい期待値で仕入れているかを知ることができます。
イケイケタイプ
見込みのROIは100%で仕入れた
しかし売ったときの実際のROIは70%だった。
見込みと実際のROIの差が30%もある。
これは期待値が高い仕入れをしているということです。
つまり、5,000円で売るつもりが結局3,000円でしか売れなかった。
こういうことを繰り返している人です。
性格的にイケイケタイプの人が多い印象で、
資金ショートしやすいので注意が必要なタイプです。
慎重派
逆のパターンの人もたまにいます。
見込みROIは100%だった。
しかし実際は110%になった。
これは慎重派の性格の人です。
こういう方は仕入れ額が伸びにくいですが、
ある壁を突破すると一気に伸びる傾向にあります。
論理的
見込みと実数にほとんど違いがでない方もいます。
こういう方は論理的なタイプで、感情で仕入れ・売りを判断しない傾向にあります。
せどりが上達しやすい方です。
このように見込みと実際のROIからその人の性格や
期待値の高い仕入れをしているかどうかがわかります。
ちなみに中古せどりはかなりその人の性格がでやすいビジネスです。
結果:ROIも安定し、せどりの成績も安定する
ROIをしっかり管理していくと、
- 無駄な仕入れが減る
- 無駄な作業が減る
- キャッシュフローが安定する
- 仕入れの精度が自然と上がる
ROIを管理して把握することは
メリットしかありません。
■ まとめ
ROIは「仕入れ基準」だけではありません。
- 粗利の予測
- 資金計画
- 目標からの逆算
- 攻め時・守り時の判断
- 仕入れの精度向上
- 月次の成績安定
これらを把握するためにROIは必須なのです。
むしろこれを把握せずにせどりをやれ、と言われても
私にはできないくらい重要なものです。
例えるなら、目隠ししながら道路を車で運転するようなもの。
実はROIにはまだ使い方があります。
それは販売率との組み合わせです。
つまり、売れ行きとROIのバランスを見ていく方法です。
複雑になってしまうので、今回は割愛しますが機会があれば
これも紹介したいと思います。

